昔の王様と王様の昔

作・なかまくら

2007.12.6

むかあしむかし。
まだまだむかし。
そのまたむかしの、むかしのむかし。
はてまたむかしのむかしのむかし。
むかでのあしよりまだむかし。
むずかしいほどまだむかし。
むかむかおじさんまだむかし。
むかしのむかしのむかしのむかし
だれよりむかしの、むかしの、王様がいました。
王様はむかしのことならなんでもしっています。
だから王様はむかしのことをいまのことのようにはなします。
とあるくににとある王様がおりました。
王様にはかぞくがいませんでした。
王様のおとうさんやおかあさん、おねえちゃんやおとうとはみんなみんな
しんでしまいました。
王様のたんじょうびにしんでしまいました。
王様のたんじょうびは、王様がなにもおぼえていなかったから
王様がいきのこったひになりました。
王様はむかしをしりません。
きのうもおとといも、せんしゅうもきょねんもしっているけれど
王様はむかしをしりません。
王様はむかしをむかしの王様にききにいきました。
むかしの王様は王様のむかしをしっています。
むかしの王様は王様のむかしにあったことがあったのです。
むかしの王様はむかしむかしのおはなしをします。
むかしむかしのおはなしに王様のむかしの王様がむかしききました。
ぼくはおうさまになるの
むかしの王様はむかしこたえました。
きみが王様になるのはしってるよ
むかしからね